あなたがなぜネット広告を忌避するのか。
それは、その広告があなたにとって視聴するに値しないからだ。もう十数年前になるけど、「リコメンド」なんてのが仕事の中で注目されていて、その手の技術会社とやり取りをしたことがあった。今では普通に使われていると言われる機能だけど、当時としては斬新だった。
一番わかりやすいのは通販サイトの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」というやつ。大規模にこういうデータを集めれば、あなたがその傾向に合致するだろうという予測と期待によっていろいろな情報が「おすすめ」される。
ネット広告も同じ仕組みが働いているはずなんだけど、いまいち精度が悪いように感じる。たとえば、YouTubeの広告。動画本編の前に数秒から十数秒のCMが入るけど、殆ど全てがあなたにとっては関心の埒外だ。なにより、あなたのテイストではない映像コンテンツでCMが作られているところが癪に障る。
もし、広告表示の仕掛けが「リコメンド」とか「おすすめ」を適切に処理しているとしたら、あなたの好みの動画コンテンツと雰囲気の似た広告を表示するだろうし、そんな広告が存在しないなら YouTubeは広告主に忠告するべきだ。「そんなCMじゃ、誰も見てくれませんよ」と。それがプラットフォーマーの良心というやつだと思う。
集金の仕掛けだけ作って、あとは広告主とユーザにお任せしますという態度は、前時代的で邪悪だと思う。いまでは、AIを使えばあらゆる種類のCMを少量多品種かつリアルタイムに生成できるはず。
AI作りましたとかイキってても、やっぱその辺は経営者のツッコミの弱さとか、払拭が難しい現場のバカさ加減が出ちゃうんだなぁ、と思った。Dark Ambient の表示される前6秒間のけたたましいCMで、それがバレちゃうんだよ。
そもそもこういう広告の掲出方法は、広告商品やサービスの価値を毀損する。ああ、だから◯天はダメなんだよな、と6秒間で評価が決定する。