クレジット会社を騙る迷惑メールが漂着。詐欺メールのつもりだったんだろうけど、本文がポエムになっている。新手の詐欺、て、詐欺にすらなってないじゃん。現場の実行犯が自分の生き方にウンザリしてポエムを載せちゃいました、とか。
ていうか、意味不明だし、そもそも私的には現代の「ポエム」は気持ち悪いと思ってる。この詐欺メール、厨二病だよな。漢字の使い方が何か乙女チックで気持ち悪いし。漢字辞典で異字体さがしたでしょ、て。
わたしが目にする詩で許せるのは古典か、メロディー付きの歌だけ。歌詞だって心情の吐露というよりは殺伐とした内容がよかったりする。生身の人間が唄うと気持ち悪いのでボカロとか変調声とかで。感情とか肉体というのが単純化されて商品流通可能になってしまっているから、かつてのポエムの生き残る余地はなくなっているんじゃないかな。
人類の歴史がくだって、個々人は千年前と同じ悩みを抱えてるけど、社会全体の思想は進化していて、それは思想家とか哲学者がいるからではなくて、総数70億の知能の群体としての進化のようなもので。だから、自意識なんてものがもつ「重大さ」とか「地球より重い」なんてものが幻想になってしまっている。すべては記号化され、流通可能。そうしないと「みんな」に届かない。
少量多品種、多様なパッケージが巷にあふれている。多様性の世界にようこそ。まあ、単に商品や情報における流通の摩擦係数が限りなくゼロに近づいただけなんだけど、ね。だから70億個体が群体を作れちゃう。