tacassi noob!

年末年始は田舎に帰って、朝はかなりの寝坊で十分に眠れたと思う。田舎は西日本だから、午前7時でも空は真っ暗なのは冬のミラノなみ。日の出が東京より1時間くらい遅いから。

冬休みが終わって遅寝・早起きが戻ってきて、ああ、またもや寝不足の日々なのかなぁ、しっかり眠らないと気分が落ち込むし動きが悪くなるしやる気が出ない。だから、うん、毎日しっかり眠ろう、8時間の睡眠時間だけでも確保しようと思う。

とすると、早朝に息子の弁当を作るため、日中に仮眠をとらないといけなくて、それも2時間くらい。だから、午前9時から11時までに眠るパターンを考えてみた。朝おきてから3、4時間で眠気がひどくなるから、9時からの仮眠は理にかなっている。社会的には通用しないけど、社会的云々の前に自分のカラダとココロだろ、て。

午前中に2時間の仮眠をとると、主な活動時間は午後になるけど、13時から16時までの3時間をプライムタイムとするのが現実的になる。16時からは買物でスーパーに行くとか、17時から2時間は夕飯の準備で……という具合に描いていくと、「自由時間」は20時から22時までの2時間だけとなった。それですら、残業して帰ってくる家人に付き合うから、細切れになる。おかずの温め直しとか、一日の話を訊くとか、ミカンを一緒に食べるとか。

そうやって紙に書き出して描いて気づいた。家事の時間が長い。やたらに長い。

日本の女性の家事の平均時間が4.5時間。ちなみに男性は1時間も無いらしい。女性で、フルタイムで働いていると3時間、非正規雇用だと4.5時間、専業主婦だと6.5時間が一日の家事の時間だそうだ。私が現在「家事」に関連して時間を取っているのは、一日に7時間。専業主婦並みに長いんだけど、その内訳を詳しく書き出してみると待ち時間が多い。その辺を整理すると、家事本体に費やしているのは4.5時間で、非正規の女性並みになる。(数字はざっくりね。実際はもうちょっと細かい)

整理されて圧縮されたのが待ち時間。朝7時になって家族を起こすとか、実際に寝床を抜け出してくるのを待つとか、家族がそれぞれ出かけるのを見送るとか、目の端でタイミングを計りつつ動く「待ち時間」。単にじっと立ったまま待っているわけじゃなくて、まるで舞台監督のように、いろいろな調整を取り付けながらアドリブで動き続けている。こまぎれ時間の活用なんてムリ無理。

何もかもをぴっちりと隙間なく時間配置することもできるけど、そうなると「待ち」がなくなるので、家族もスケジュール通り正確無比に動かないといけなくなる。が現実は、コラァいったいいつまで寝てるんだぁ、とか、きょうはグズグズして進まないな、とか、あれはどこに行った、きょうはこれを提出じゃん、そんな予定聞いてない、とか、そんなのに対応しないといけない。

だから、ひとりで食べる昼とか、晩ご飯の支度がメインの夜の家事の時間はそんなアドリブが要らないので、家事の時間枠と実働の合計とが殆ど等しい。関係する家族の員数が多いと調整のための「待ち」が大きくなる。システム開発でステークホルダーが増えるとプロジェクトが迷走するのと基本原理は同じだろう。

殊に、エンジンのかからない朝は成員間の誤差が大きくなるので、その分のマージンを広めにとることになる。結果、「待ち」が増える。システム開発のキックオフミーティングでの「暖機」の重要性を改めて感じるわけだ。プロジェクトの開始は数か月スパンでの最初の1回だけど、家族のプロジェクトは毎日が新しいスタートなので、キックオフミーティングを毎日やるわけにはいかない。ホットスタンバイのための冗長化が、私の担う「待ち」なわけか、て思う。
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